生前整理の集客を始めるときは、相談を受けたい場面と、相談後に提供できる作業を先に決めましょう。住み替えまでに家財を減らしたい人と、将来に備えて少しずつ整理したい人では、必要な案内が変わります。
そのうえで、自社にある紹介先、受付を担当できる人、使える費用を確認して集客方法を選びます。この記事では、生前整理を提供する会社に向けて、Webや紹介、チラシ、相談会の準備と、最初の1か月の進め方を説明します。
相談の期限と依頼範囲

最初に、どのような相談なら自社で引き受けられるかを整理します。年齢だけで対象を決めると、相談を急ぐ理由や、本人が任せたい範囲が見えにくくなります。受付では、片付ける目的、希望する時期、本人と相談者の関係を聞きましょう。
次の表は、相談に応じて案内を変えるための例です。すべての人をこの分類に当てはめる必要はありません。
相談の場面 | 最初に確かめること | 自社が用意する案内 |
|---|---|---|
将来に備えて少しずつ整理したい | どの場所や持ち物から始めたいか | 一部屋や一か所から頼めるか、作業の進め方 |
住み替えや施設入居の日程がある | 荷物を移す日、持っていく物、残す物 | 希望日までの作業可否と、仕分けから搬出までの担当 |
離れて暮らす家族が実家を片付けたい | 本人が片付けを希望しているか、誰が話を進めるか | 家族だけでできる事前相談と、本人に確認する時期 |
何を残すか決められず困っている | 判断を手伝ってほしいのか、決まった作業を任せたいのか | 一緒に仕分けをするサービスの有無と、保留品の扱い |
たとえば、一部屋の仕分けから対応できる会社なら、その範囲を専用ページやチラシに明記できます。家全体の搬出を中心とする会社なら、少量の整理を引き受ける条件を決めておきます。集客の言葉を、自社で提供できるサービスに合わせるためです。
家族から相談が来た場合も、本人の希望を確かめる手順を省かないようにします。初回の相談で即座に処分品を決める必要はありません。誰が説明を聞き、どの段階で本人が確認するかを決めることから始めましょう。
自社に合う集客方法の選び方
受付の準備ができたら、今ある接点を使える方法から試します。複数の施策を同時に始めると、費用がかさみ、原稿作成や返信、日程調整も重なります。小さく始めるなら、相談先となるWebページを整えたうえで、最初に力を入れる媒体を一つ選ぶ方法があります。
次の表は、媒体を選ぶ目安です。自社で着手するための条件を比べています。
自社の状況 | 最初に検討する方法 | 着手前にそろえるもの |
|---|---|---|
地域の施設や不動産会社と接点がある | 紹介先との連携 | 紹介できる相談の範囲、サービス資料、受付担当者 |
ホームページに訪問はあるが相談が少ない | 生前整理ページの改善 | 費用条件、作業例、連絡方法、受付の動作確認 |
地域の検索から見つけてもらいたい | Googleビジネスプロフィールと地域のサービス案内 | 正確な営業情報、対応地域、実際の写真 |
配布先や設置先の協力を得られる | チラシ | 誰のどんな相談を受けるかが分かる紙面と専用の連絡先案内 |
講師を務められ、会場との接点がある | 少人数の講座や相談会 | 学ぶ内容、開催条件、希望者の個別相談受付 |
広告費を使え、問い合わせに対応できる | 検索広告の小規模な試行 | 対象地域、費用上限、広告に合うページ、相談記録 |
どの方法でも、電話に出られない時間や、返信が遅れる場合の案内を先に決めておきます。現場作業と受付を一人で担当するなら、対応可能な時間を明示し、折り返しの担当と期限を社内で決めます。
新規の営業先探しを含めて仕事の取り方を整理したい場合は、遺品整理・生前整理の仕事の取り方も参考にしてください。ここからは、生前整理の相談を受けるために各媒体で準備する内容を見ていきます。
Webから相談を受ける準備
生前整理の専用ページ
遺品整理と生前整理を一つのサービス欄に並べるだけでは、元気なうちの片付けをどこまで頼めるかが伝わりにくい場合があります。生前整理のページには、相談の場面と、依頼できる作業を具体的に書きましょう。
冒頭には、対応地域とともに、一部の仕分け、住み替え前の整理、家族からの相談など、自社が対応できる内容を載せます。次に、相談から作業までの流れ、料金が決まる条件、担当者、問い合わせ先を説明します。実際に提供していない少量対応や無料相談を、集客用の表現として追加しないようにします。
作業写真を載せる場合は、掲載の了承を得たうえで、何を依頼され、どの範囲を手伝ったかを添えます。片付いた室内だけでは、仕分けを一緒にしたのか、搬出だけを担当したのかが分かりません。本人が残すと決めた物をどう扱ったかも、説明できる範囲で記載します。
記事やSNSから案内するときは、投稿の話題に合うページへつなぎます。写真整理の投稿なら、写真や思い出の品を扱うサービスの説明へ案内する形です。ホームページ全体の構成は、遺品整理のホームページ制作で必要なページと運用で確認できます。
Googleマップと検索広告
Googleビジネスプロフィールを運用している会社は、電話番号や営業時間、サービス情報、写真を点検します。Googleも、正確な情報の登録や写真の追加、クチコミへの返信を案内しています。ローカル検索の表示には、検索との関連性、距離、知名度などが関わります。Googleのローカル検索に関する説明
自社情報を整えることと、すべての地域で上位に表示されることは別です。検索順位だけを追う前に、表示されている電話番号やリンクから、実際に相談できるかを確かめましょう。
検索広告を試す場合は、対応できる地域と費用上限を決めます。広告文で住み替え前の生前整理を案内するなら、リンク先にもその作業と日程相談の方法を載せます。広告経由の相談で依頼された内容を記録し、対応外の作業や地域の問い合わせが続くときは、配信条件や説明を見直します。
紹介先との連携の始め方
紹介用の資料
介護施設や不動産会社など、住まいの変化に関わる相手に相談を紹介してもらう方法があります。すでに接点がある場合は、まず相手がどのような片付け相談を受けているかを聞き、自社の対応範囲を説明します。紹介を受ける前提で一方的に顧客情報を求めることは避けましょう。
説明用の資料は、相手が利用者に案内しやすい一枚にまとめます。
- 対応できる地域と、引き受けられる整理の範囲。
- 入居や住み替えの期日がある場合の相談方法。
- 見積もりに必要な情報と、費用が発生する条件。
- 本人と家族に確認する内容、作業を保留する場合の扱い。
- 受付担当者と連絡先、連絡できる時間。
資料には、相手が紹介しやすい相談例を一つ載せる方法もあります。たとえば、入居前に持っていく家具を選び、自宅に残る物の整理を相談したい場面です。これは案内用の想定例と分かる書き方にし、実際の利用者の事例と混同させないようにします。
連絡と結果報告の取り決め
紹介先とは、利用者が相談を希望した後、誰から誰に連絡するかを決めます。利用者自身が電話する方法なら、渡す資料に相談時の伝え方を記載できます。自社から連絡する方法なら、連絡先の共有と自社からの連絡について、本人の了承を確認してもらいます。
紹介元への報告も、あらかじめ本人と共有範囲を確認します。受付が済んだかを知らせるために、家の中の写真や家族の事情まで伝える必要はありません。担当者が変わっても同じ対応ができるよう、連絡方法と報告範囲を記録しておきましょう。
初回の説明では、相手が案内しづらい点を確かめます。対応地域が分からない、少量でも頼めるか不明、といった疑問を資料に反映します。
チラシと相談会の作り方

チラシは、どんな場面の相談を受けるかを絞って作ります。住み替え前の家財整理と、将来に備えた少量の片付けを一枚に詰め込むと、作業内容や日程の説明が曖昧になりがちです。配布先で想定される相談を選び、対応範囲と連絡方法を大きく示しましょう。
紙面には会社名、地域、作業内容、料金条件、電話番号を載せ、詳しいページへのQRコードを添える方法があります。印刷前に、紙に出した状態で文字を読めるか、QRコードから目的のページを開けるか、電話がつながるかを確認します。配布地域と部数、実施日を残しておくと、後から相談の発生状況を比べられます。
相談会を開く場合は、参加して何を学べるかを明確にします。たとえば、残したい写真の選び方、住み替え時に持っていく物の整理、家族に希望を伝えるためのメモ作りなどが題材になります。講師が実際に教えられる範囲で内容を決めましょう。
地域で生前整理を扱う講座の例として、小牧市の公表ページには、2025年2月に実家じまいと生前整理を扱ったセミナーの実施記録があります。集客や受注の成果を示す資料ではありませんが、地域で知識を伝える場の一例です。小牧市のセミナー実施記録
自社で開催するときは、参加費の有無、所要時間、持ち物、個別相談を受けられるかを事前に案内します。会場の利用やチラシ設置は、施設側と条件を確認してから進めます。個別の営業連絡は、希望した参加者に行う運用にしましょう。講座への参加だけで、訪問見積もりまで希望しているとは判断しません。
相談前に伝えたいサービスの条件

問い合わせを受ける前に、料金と作業の条件を確認できるようにします。金額だけを大きく見せて作業範囲を省くと、相談者が想定したサービスと実際の対応に差が生まれます。
専用ページや見積もりの案内では、次の点を自社の運用に合わせて説明しましょう。
- 一緒に仕分けをする時間が料金に含まれるか。
- 搬出、清掃、買取などのうち、どこまで対応するか。
- 現地を確認する費用と、作業費が確定するタイミング。
- 作業の追加や変更があった場合に、誰に確認するか。
- 残す物や迷っている物を、どの段階で確認するか。
- 予約の変更やキャンセルの条件。
国民生活センターは、遺品整理について、作業内容や料金、追加費用などの事前確認と、残す品の区別を呼びかけています。生前整理のサービス説明を作る際にも、これらを具体的に伝えることを提案します。国民生活センターの注意喚起
家財の仕分けと、廃棄物の回収を担当する事業者が異なる場合は、それぞれの役割を明記します。家庭の廃棄物の回収には、市区町村による一般廃棄物処理業の許可や委託が必要で、産業廃棄物処理業や古物商の許可で代用できないと環境省は説明しています。サービス全体を自社が処分まで行うように見せず、実際の担当と市区町村のルールを確認して記載しましょう。環境省の廃棄物回収に関するQ&A
また、生前整理では、本人が迷ったときの対応も案内できます。判断を保留した品を一時的に分けておくなど、実施できる手順を説明すると、相談時に依頼の進め方を確かめてもらえます。
最初の1か月の進め方
最初の月は、相談を受けられる状態を作り、一つの施策を試して記録を残します。次の予定は実施順序の例です。検索からの流入や紹介が、この期間内に増えることを約束するものではありません。
期間の目安 | 実施すること | 残すもの |
|---|---|---|
1週目 | 自社が対応できる相談と受付方法を決める | 対応範囲、担当者、費用条件の一覧 |
2週目 | 生前整理の案内ページと相談先を整える | 公開ページ、電話とフォームの動作確認記録 |
3週目 | 選んだ施策を一つ実施する | 紹介資料の説明記録、配布記録、広告設定など |
4週目 | 相談内容と使った費用を確認する | 続ける点、説明を直す点、次月の作業 |
講座の会場手配に時間がかかる場合は、初月の完了点を会場との日程合意までにしても構いません。自社で管理できる準備と、相手の都合で決まる予定を分けておきます。
原稿を作る人、掲載内容を確認する人、相談を受ける人を決めます。少人数なら同じ人が兼ねてもよいので、担当ごとの作業状況が分かる状態にしましょう。
相談内容と費用の振り返り
施策を続けるかは、問い合わせの件数と、その後の対応を合わせて判断します。電話ボタンが押された回数と、実際に話せた件数、自社で対応できた相談の件数は区別して記録しましょう。
記録する項目は、知ったきっかけ、相談の目的、希望時期、対応可否、見積もりの有無、契約の有無、使った費用です。契約に至らなかった場合も、日程が合わない、作業範囲が違う、本人と相談中など、確認できた理由を残します。理由が分からない場合は、推測で埋める必要はありません。
広告、チラシの印刷や配布、会場、制作に使った費用を、集客方法ごとにまとめます。社内の作業時間も別に残すと、件数が増えた際に担当者が続けられるかを考えやすくなります。最初に使った制作費と、毎月かかる費用は分けて確認します。
対応外の相談が多いなら、広告や紙面の作業範囲を明確にします。相談はあるのに連絡が取れないなら、返信のタイミングや連絡方法を確認します。見積もり後の辞退が続くなら、辞退理由と、事前説明との食い違いを調べます。件数が少ない間は、数件の増減だけで媒体の優劣を断定しないようにしましょう。
まずは、自社が引き受けたい相談を一つ決め、受付を整え、実行できる方法を一つ試してください。すでに発信を続けているのに相談につながらない場合は、問い合わせが来ないときの集客と受付の見直し方で、次に点検する場所を整理できます。



