ホームページをリニューアルしても問い合わせが増えないとき、すぐにデザインや制作会社を替えても原因は分かりません。検索流入が消えたのか、来訪者が変わったのか、相談前の説明が足りないのか、計測だけが切れたのかを分けます。
診断は、計測、旧サイト比較、流入、ページ内行動、問い合わせ対応の順で進めます。一度にボタン、文章、広告を変えないことが大切です。
最初の計測点検
反響がないと判断する前に、問い合わせが正しく記録されるか実機で確認します。
- フォーム送信が担当者と送信者の両方へ届くか
- 電話番号タップが計測されるか
- 完了ページが直接閲覧でも成果扱いになっていないか
- Cookie同意後も解析タグが動くか
- 広告、自然検索、紹介の参照元が保存されるか
- 予約システムなど外部ドメインへの遷移が追えるか
パソコンだけでなくスマートフォンでもテストします。問い合わせは届いているのに解析上ゼロなら、集客施策より計測修正を先に行います。
テスト送信では、通常入力だけでなく、未入力、形式エラー、添付上限、戻る操作も確認します。担当者側では件名、送信元、迷惑メール判定、スマートフォン通知まで追います。発生日時とテスト条件を記録すれば、解析タグとメール配送のどちらで欠損したかを切り分けられます。
旧サイトとの六項目比較
リニューアル前後を同じ期間で比較します。季節差がある場合は前年同期間も補助的に見ます。
項目 | 確認内容 |
|---|---|
URL | 流入のあったページが残り、適切に転送されたか |
検索流入 | 表示回数、クリック、検索語がどう変わったか |
閲覧 | 事例、料金、会社情報が読まれているか |
CTA | 電話、相談、資料の選択肢と位置が変わったか |
フォーム | 項目数、必須条件、エラー、完了率が変わったか |
対応 | 返信時間、担当、初回質問が変わったか |
問い合わせ数だけの比較では、どこから変化したか分かりません。URL単位で並べると、検索流入の欠損とページ内の問題を分離できます。
四象限の原因診断
流入と反響を二軸にすると、調査順を決めやすくなります。
流入 | 反響 | 最初に疑う場所 |
|---|---|---|
減少 | 減少 | URL移行、noindex、検索意図、広告停止 |
維持 | 減少 | 訴求、事例、CTA、フォーム、対応 |
増加 | 維持 | 対象外流入、情報収集語への偏り |
増加 | 増加 | 有効相談率と対応能力を確認 |
流入が増えているのに反響率が落ちた場合、失敗とは限りません。情報収集記事への訪問が増えただけか、有効相談の実数が増えたかを見ます。
ページ別の修正順
修正は入口、証拠、行動の順で追います。
- 入口:検索語、広告文、titleがページの内容と合うか
- 約束:冒頭で対象者、対応内容、対象外条件が分かるか
- 証拠:事例、料金条件、担当者、工程が確認できるか
- 行動:相談方法、所要時間、相談後の流れが分かるか
- 引継ぎ:フォーム内容が担当者へ届き、同じ説明で返信できるか
各変更には対象URL、変更日、見る指標を一つずつ記録します。変更前の画面と文章も保存し、悪化した場合に戻せるようにします。
典型的な失敗例
たとえば、旧サイトで読まれていた事例ページを削除し、新サイトのトップに大きな問い合わせボタンを置くケースです。検索入口と比較材料を失っているため、ボタンを目立たせても閲覧者が相談前に納得できません。
別の例は、フォーム項目を減らして送信数を増やしたものの、営業地域や希望内容が分からず、対象外相談が増えるケースです。送信率と有効相談率を同時に見なければ改善か判断できません。
再リニューアルの条件
部分改修で直せる問題に対して、再度の全面リニューアルは必要ありません。URL転送、計測、事例本文、フォーム、トップの約束は個別に修正できます。
全面改修を検討するのは、更新システムが保守できない、スマートフォンで主要操作が成立しない、ページ構造上URLや導線を部分修正できないなど、技術基盤が改善を妨げている場合です。
再改修前にも旧URL台帳と九十日分の基準値を残します。反響がないという結果だけで判断せず、落ちた地点を特定し、その地点だけを直して検証します。



