MEO対策の費用対効果|ROIの計算例と継続の判断基準

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MEO対策の費用対効果は、運用に使った費用と、その期間に得られた利益を比べて判断します。順位や電話ボタンのクリック数だけでは投資を回収できたかは分かりません。

費用対効果を測る範囲

月々の運用費を払っているなら、まず同じ月の費用と成果を並べます。初期整備に費用をかけた場合は、それも含めた累計を別に確認しましょう。月額費だけが見える表では、初期投資をまだ回収できていないことを見落とします。

成果として記録する地点は業務に合わせて決めます。来店型の店なら購入や施術の完了、訪問型の事業なら現地調査を経た受注などです。予約件数だけを数えると、キャンセルや対象外の相談まで利益として扱ってしまいます。

ここで分けたいのが、Googleマップを経由した成果と、MEO対策によって増えた成果です。もともと利用するつもりだった常連客が営業時間を調べた場合、その売上をすべて新たな効果にはできません。受付で知ったきっかけを聞き、初回利用か再利用かも分けて残すと、判断材料になります。

前月や前年と比較するときは、営業日数、繁忙期、値上げ、広告の出稿、キャンペーンも記録します。前後の増減だけでMEOの因果関係を証明できるわけではありません。増分を特定できない段階では、経由実績と仮定を置いた試算を分けて報告してください。

なお、Googleのパフォーマンス説明では、自然検索だけでなくGoogle広告のデータも含むとされています。プロフィールの数字を丸ごと無料検索の成果として計算しないことも大切です。

運用にかかった費用の集計

外注費に加え、社内で使った時間も記録します。たとえば現場担当者が写真を選び、責任者が投稿を確認するなら、その時間は外注後も残ります。内製と外注を比べる際も、同じ作業範囲で集計してください。

費用の区分

集計するもの

確認する点

外注・ツール

運用代行、順位計測などの請求額

月額に含まれる作業と別料金

社内作業

写真準備、情報確認、返信などの時間

作業時間に社内で決めた時間単価を掛ける

初期整備

登録内容の整理、撮影、計測設定

単月費用と累計費用を分ける

追加対応

通常業務を超えて発生した作業

他の費用に既に含めていないか

同じ撮影費を外注請求と社内の費用欄の両方に入れるなど、二重計上を避けましょう。税込・税抜の扱いも表の中で統一します。金銭支出だけの合計と、社内工数を含めた合計を併記すると、資金負担と担当者の負担を別々に確認できます。

継続の可否を決めるときには、これから必要になる費用を見ます。過去の初期費用を含む累計では赤字でも、今後の運用で得られる利益が費用を上回る可能性はあります。逆に、初期費用を回収済みだからといって、毎月の赤字運用を続ける理由にはなりません。

ROIと回収に必要な件数

ROIは投資に対して残った利益の割合です。Google広告の説明でも純利益と費用の比率とされ、目的によって計算方法が異なると説明されています。

この記事では、MEO運用費に対する採算を比較するため、次の式を使います。分母は商品の製造原価を含む総事業費ではなく、前節で集計したMEO運用費です。他のレポートと比べる際は、分母と利益の範囲をそろえてください。

MEO運用費に対するROI(%)=(増加粗利 − MEO運用費)÷ MEO運用費 × 100

増加粗利は、施策により増えたと見込む売上から、その売上に対応する原価を引いた金額です。材料費や外注施工費などを差し引かず、売上だけを入れないようにします。原価側に含めた費用を運用費でも引くことは避けます。

次は計算方法を示す仮定の例です。料金相場や実際の成果ではありません。

項目

仮定した値

評価期間のMEO運用費

50,000円

施策による増分と仮定する受注

6件

1件当たりの粗利

10,000円

増加粗利

60,000円

運用費を引いた残額

10,000円

この場合、ROIは(60,000円 − 50,000円)÷ 50,000円 × 100で20%です。60,000円 ÷ 50,000円の120%は粗利と費用の比率で、費用を差し引いたROIとは異なります。

必要な受注数は、運用費 ÷ 1件当たりの粗利で求められます。この例なら5件で運用費を回収し、6件目から残額がプラスになります。件数は端数が出れば切り上げます。実際の粗利が案件ごとに違う場合は、平均だけでなく低い場合も試算してください。

6件のうち何件が純増か分からないなら、20%を実測ROIとは呼べません。増分を3件、5件、6件と仮定すれば、ROIはそれぞれ−40%、0%、20%です。どの仮定なら継続できるかまで確認すると、過大評価を避けやすくなります。

Googleの指標と実際の成果

プロフィールの画面で確認できる数字と、店内や営業担当者が記録する数字を分けます。Googleの指標定義では、通話数は通話ボタンがクリックされた回数です。電話がつながった回数や、予約が確定した回数ではありません。

Google側の数字

示している行動

自社で別に確かめること

通話数

電話ボタンのクリック

実際の着信、応答、相談内容、成約

ルート

経路を検索したユーザー数

来店、購入、初回来店かどうか

ウェブサイトのクリック

サイトへのリンクのクリック

サイトでの問い合わせ、予約、受注

使える指標は業種や設定によって異なります。画面にない写真閲覧数や口コミ閲覧数を、標準で取得できる前提で報告表へ入れないようにしましょう。

受付側では、日付、案件番号、知ったきっかけ、初回利用かどうか、相談・来店・受注の結果を記録する方法が考えられます。同じ人が電話した後にフォームから連絡した場合は、案件番号で1件にまとめます。プロフィール上のクリック数と受注数を直接足し算することはできません。

来店の記録がない状態で、経路検索の一定割合を来店した人数として扱うのも避けます。まず記録できる成果を増やし、取得できない情報は不明として残してください。

改善する箇所の見つけ方

数字が悪いときは、止まっている段階を確かめてから作業を選びます。次の表は原因を決めつけるものではなく、点検する順番の例です。

見られた状態

次に確かめること

作業の例

関連する検索で表示が少ない

登録内容が実態に合うか

業務、営業時間、連絡先を確認する

表示はあるが連絡が少ない

依頼判断に必要な情報があるか

料金条件、写真、対応範囲を補う

電話操作はあるが実相談が少ない

電話がつながるか

受付時間の表示と着信記録を確認する

相談はあるが受注が少ない

対象外地域、日程、条件の不一致がないか

受付記録を基に説明を直す

受注はあるが利益が少ない

原価や運用費が重くないか

受ける案件と外注作業の範囲を見直す

Googleはローカル検索の主な要素として、関連性、距離、知名度を挙げています。掲載情報は正確にできますが、検索する人との距離まで運用担当者が変えられるわけではありません。順位だけに固定した目標にすると、現場で改善できることが見えにくくなります。

写真や案内を更新したら、更新日と内容も残しましょう。何を直したかが分かれば、翌月の相談内容に変化があった際に検討できます。

外注契約と継続の判断

外注先には、月額料金だけでなく、何を行い、何を報告するのかを文書で確認します。投稿数が多いかどうかだけでは、自社で止まっている作業を補ってもらえるか分かりません。

確認したいのは、写真や原稿を用意する担当者、情報の確認方法、修正の回数、レポートの項目、アカウントの管理権限、最低契約期間と解約時の扱いです。順位を成果として課金する契約なら、対象の検索語、測定地点、測定日、課金条件までそろえます。

月次の見直しでは、次のように判断を分けると話し合いやすくなります。

判断

判断材料

次の対応

継続する

記録した利益が費用を上回り、対応体制にも無理がない

作業を続け、急な変化を点検する

改善して検証する

情報や受付に具体的な不足がある

直す箇所、担当者、確認日を決める

縮小や契約変更を検討する

計測をそろえても赤字が続く、必要作業と契約が合わない

作業範囲と今後の支払額を見直す

判断を保留する

受注までの期間が足りない、経路が不明

記録を整え、再判定日を決める

保留は無期限にしません。何が分かれば判断できるのかを記録して、確認する日を決めます。成果が少ない月だけを理由に即解約するのでも、順位が上がっただけで継続するのでもなく、費用と実際の相談の両方から判断してください。

再来店や紹介も追う場合は、確認済みの実績を別欄で記録します。まだ起きていない再来店の利益を足して採算を良く見せるのではなく、初回利用だけの評価と、その後に確認できた実績を分けてください。

評価期間と最初の進め方

最初の90日を社内の点検日程にするなら、1か月目に費用と成果の記録を整え、2か月目に情報や受付を修正し、3か月目に記録を見て次の作業を決める進め方があります。これは運用計画の一例であり、90日で成果が出るという意味ではありません。

問い合わせから受注までが長い業種では、3か月目の相談がその後に契約になる場合もあります。集計を早く締めて未成約として扱わず、同じ時期の相談がどうなったかを追ってください。件数が少なければ、月別の数字に加え累計も確認します。

まずは直近の請求額と社内作業時間を集め、実際の相談・来店・受注を同じ表に置くところまで進めましょう。次に、分からない経路と不足している説明を1つずつ直します。その記録が、運用を続けるか、費用を変えるかの判断材料になります。

測定用の数字を集めるときは、Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」で対象期間をそろえます。プロフィールのオーナー確認を済ませ、管理権限のあるGoogleアカウントでログインしたうえで、次の順に確認してください。

  1. Google検索で管理するビジネスプロフィールを開き、「パフォーマンス」を選ぶ。
  2. 費用を集計した開始日・終了日に合わせてレポート期間を選び、「適用」で表示を切り替える。
  3. 表示された通話・ルート・ウェブサイトのクリックを、期間と確認日を添えて記録する。来店・受注は同じ期間の自社の受付記録から別に集計する。

表で保存したい場合は、パソコンのビジネスプロフィールマネージャーで対象プロフィールを選び、「操作」→「インサイト」から期間を指定してレポートをダウンロードできます。操作方法と利用できる指標は、Google公式のパフォーマンス確認ガイドでも確認できます。取得できなかった値をゼロに置き換えず、未取得と記録して集計範囲をそろえましょう。

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