ヌリカエの手数料をどう判断する?塗装店の採算確認

gaiso reform image 025

ヌリカエへの加盟を検討するとき、手数料がいくらかは気になる項目です。ただし、Web上で見つけた金額だけを使って加盟の損得を決めると、契約時期、対象工事、地域、料金が発生する条件の違いを見落とします。具体的な費用は、最新の契約書と運営窓口の説明で確認する必要があります。

塗装店の採算は、紹介1件に支払う金額だけでは決まりません。電話、日程調整、現地調査、移動、見積もり、失注後の対応まで含め、受注1件を得るために使った費用を計算します。そのうえで、受注した工事の粗利と比べます。

この記事では、ヌリカエの手数料を調べている塗装店に向けて、契約前の確認項目、受注原価の計算、案件台帳、紹介サイトと自社集客の配分、継続判断の手順を解説します。非公開の料金を推測せず、自社の数字で判断する方法を整理します。

ヌリカエの手数料を公開情報だけで決めない

加盟判断では、利用者向けの「無料」と、施工店が負担する費用を分けます。2026年9月16日にヌリカエの公式情報を確認した時点では、公式FAQに、利用者への会社紹介は無料で、最大4社を紹介すること、工事内容・予算・時期などを聞いたうえで会社を選ぶ流れが案内されています。これは利用者向けの説明であり、加盟施工店へ適用される料金や契約条件を示すものではありません。

加盟希望の施工店向け公式ページも確認しましたが、公開ページだけから、すべての申込企業へ共通して適用される現在の加盟料、紹介料、成約時の料率、最低利用期間、返金条件を確定できません。検索結果や第三者の記事にある金額・率は、自社へ提示された最新条件として扱わないでください。

公開情報で確認できること

個別の書面で確認すること

利用者へのヒアリング後に会社を紹介する流れ

自社へ案件情報が渡る条件と費用発生時点

最大4社を紹介するという利用者向け案内

同時紹介社数が案件・地域で変わるか

公開されている加盟審査の一部

自社へ必要な提出書類、審査、開始日

対応工事や地域は状況により紹介できない場合があること

対象工事、地域、件数上限、停止・変更手続き

現地調査と見積もりを加盟会社が行う流れ

連絡不通、重複、対象外、キャンセル時の請求調整

確認日は、URL、画面またはPDF、担当窓口への質問、回答日と一緒に記録します。公開情報が更新されても、すでに締結した契約が自動的に同じ条件へ変わるとは限りません。採算表へ入れる数値は、自社宛ての最新見積書、料金表、規約、契約書で一致を確認したものに限ります。

この記事はヌリカエ固有の確認と試算を扱います。複数サービスの費用発生地点や更新・退会条件を比較する場合は、外壁塗装マッチングサイトの採算管理で整理してください。

加盟前に確認する費用と契約条件

担当者へ「手数料はいくらですか」とだけ聞くと、どの工程、案件、売上を対象にした数字かが残りません。自社の商圏、受けたい工事、月間対応数を伝え、回答を契約書の該当箇所へ対応させます。

最初の問い合わせには、次のような文面を使えます。「当社は[対応地域]で[工事内容]を扱い、月に[件数]件まで新たな現地調査に対応できます。現在の加盟申込の受付可否、審査で必要な書類、紹介開始までの手順、当社に適用される料金資料をご案内ください」。角括弧は自社の実態に置き換えてください。

回答は「加盟の審査条件」「紹介してもらえる案件条件」「料金が発生する条件」に分けて残します。書類を出せることと紹介件数の見込みは別なので、未回答の項目をそのまま採算表の前提にしないようにします。

確認項目

個別見積・契約書で確かめる内容

自社の記入欄

初期・固定費

加盟、登録、月額、システム等の名目、税込・税別

[金額・発生日]

案件受領時の費用

情報受領、接続、現調など、費用が確定する時点

[条件・金額]

成約時の費用

成約の定義、率または金額、算定対象の売上

[条件・算定式]

対象売上

本体、足場、付帯部、追加変更、値引き、消費税の扱い

[含む・除く]

重複・対象外

既存顧客、他経路との重複、地域外、小工事、連絡不通

[申告期限・証拠]

紹介条件

地域、工事種別、規模、時期、同時紹介社数

[設定可能範囲]

件数調整

上限、繁忙期の停止、再開、変更反映日

[手続き・反映日]

請求

締日、支払日、明細、異議申立て期限

[担当・期限]

契約期間

開始、更新、最低期間、休止、解約、最終請求

[日付・通知方法]

条件改定

通知先、適用日、進行中案件への適用

[確認責任者]

資料には受領日と版を付けます。口頭回答は、質問、回答者、回答日、対象条件をメールなどで確認し、書面と食い違う場合はどちらが適用されるかを運営窓口へ確認します。架空の料金や他社の契約例を空欄へ入れません。

申込前に、料金だけでなく運用可能性も確認します。紹介通知へ誰が何分以内に対応するのか、担当不在時に止められるのか、現地調査へ行ける地域なのか、見積提出期限を守れるのかを営業と現場で決めます。件数を受け取れても、対応遅延や遠距離移動で既存顧客の対応を圧迫すれば、契約条件と自社体制が合っていません。

最後に、次の確認日を契約管理表へ入れます。料金改定、対象地域変更、担当者変更、更新日の前には再確認し、古い説明資料の数値を使い続けないようにします。

受注1件あたりの採算計算

紹介1件の料金だけでは採算を判断できません。失注、対象外、連絡不通を含め、同じ期間・同じ案件群に使った費用と営業工数を合計します。

受注1件あたり獲得費用 =(サービスへの支払い+営業工数費+交通・駐車等)÷受注件数

獲得後粗利 = 受注案件の粗利-受注1件あたり獲得費用

ここでいう案件粗利は、売上から材料、足場、外注、施工人件費など、社内で定めた直接原価を引いた金額です。会社全体の営業利益や、固定費配賦後の利益と混同しません。

次は計算方法を示すための仮定値による例です。ヌリカエの料金、塗装業界の相場、特定企業の実績ではありません。

項目

仮定値

自社で差し替える欄

対象期間のサービス支払い

200,000円

[   円]

受付・現調・見積・追客の合計

50時間

[   時間]

営業1時間あたり社内原価

3,000円

[   円]

営業工数費

150,000円

[時間×原価]

交通・駐車等

30,000円

[   円]

同じ案件群からの受注

2件

[   件]

受注1件あたり獲得費用

190,000円

[総額÷受注件数]

仮定例では、(200,000円+150,000円+30,000円)÷2件=190,000円です。仮にある受注案件の売上が1,200,000円、直接原価が900,000円なら案件粗利は300,000円で、獲得費用を引いた残りは110,000円です。この売上・原価も計算例であり、料金や利益の目安ではありません。

受注までの期間が長い場合は紹介月だけで割らず、案件IDで紹介日、現調日、見積提出日、受注・失注日をつなぎます。受注ゼロの期間は単価を0円とせず「算出不可」とし、支払いと工数を未回収費用として残します。小規模補修、外壁・屋根同時工事、遠方案件など粗利構造が違う案件は分けて確認します。

現地調査と見積もりの工数を含める

利用者へ無料で提供する現地調査や見積もりにも、塗装店側の人件費と移動費がかかります。受注案件だけでなく、失注・対象外・連絡不通となった案件も同じ項目で記録します。ヌリカエ公式の利用者向け施工フローでも、会社紹介後に加盟業者が連絡し、現地調査、採寸・ヒアリング、見積提出を行う流れが示されています。

工程

時間に含める作業

追加で残す条件

受付

紹介確認、対応可否、初回連絡、日程調整

架電回数、接続、対象外理由

移動

往復、駐車、渋滞、担当者・車両の拘束

地域、距離、有料道路、駐車費

現地調査

採寸、劣化確認、写真、要望確認

建物規模、付帯部、足場条件

見積作成

数量計算、塗料・工程検討、書類作成

見積の種類、社内確認、提出日

説明・追客

提案説明、質問、再訪、連絡

回数、方法、保留理由

修正

工事範囲、仕様、数量、値引きの再計算

修正理由、顧客要望、調査不足

引き継ぎ

営業から施工管理、事務への共有

写真・記録不足、再確認

営業工数費は、各工程の時間×担当者区分ごとの社内原価で計算します。給与だけを時間単価にするか、法定福利費や間接費を含めるかは社内で定義し、紹介経路ごとに変えません。精密な分単位の記録が続かない場合は、まず受付、移動・現調、見積、追客の4区分で実測し、標準時間を作ります。

工数が増えた理由も残します。遠距離、駐車困難、足場条件、写真不足、要望の追加、見積修正、長期保留などを分類すると、料金交渉だけでは解けない負担が見えます。地域や工事種別の受付条件、初回ヒアリング、現調票、写真項目、見積テンプレートを直した後は、変更前後で時間と獲得後粗利を比べます。

紹介件数が少ない期間は、1件の受注で比率が大きく動きます。件数、総工数、総費用、受注件数、案件粗利を併記し、短期の結果だけで継続や停止を決めないようにします。

紹介案件を工程別に追う台帳

紹介件数が多いことと、自社に合う案件が多いことは別です。案件台帳では、件数、進捗、費用、適合を同じIDで追います。月末に受注件数だけを数える運用では、連絡不通、対象外、日程不一致、失注のどこで止まったか分かりません。

台帳には次の項目を設けます。

段階

記録する項目

紹介受付

紹介日、地域、工事種別、希望時期、料金発生条件

初回連絡

連絡日時、方法、接続、次の約束

適合確認

対応地域、物件、工事規模、予算、緊急度

現地調査

訪問日、移動時間、調査時間、担当者

見積もり

提出日、工事範囲、見積もり工数、再提出

結果

受注、保留、失注、対象外、連絡不通

収益

契約額、工事原価、粗利、サービスへの支払い

理由

選ばれた理由、見送り理由、次回連絡

見送り理由は選択肢とメモを組み合わせます。価格、時期、他社契約、工事中止、対象外、対応速度、説明不足などに分けます。担当者が価格だろうと推測した案件を、利用者が答えていないのに価格理由として確定しません。

案件品質を見るときは、現地調査率や受注率だけに寄せません。自社の商圏に合う割合、得意工事に合う割合、希望時期が現実的な割合、必要な粗利が残る割合を合わせます。受注率が高くても遠方の小規模工事に偏れば、現場運営の負担が増えることがあります。

紹介元が複数ある場合は、同じ定義で記録します。ヌリカエ、他の紹介サイト、自社サイト、Googleマップ、既存顧客の紹介など、経路ごとに項目を変えると比較できません。受付から粗利まで同じ列を使い、経路だけをタグで分けます。

個人情報は採算分析に必要な範囲で扱い、閲覧権限と保存期間を決めます。集計表には氏名や詳しい住所を載せず、案件ID、地域区分、工事区分へ置き換えます。顧客対応の記録と経営分析用の表を分けると、不要な共有を避けられます。

週次では進行中案件の対応漏れを確認し、月次では採算を集計します。週次と月次を同じ会議で混ぜると、個別案件の連絡確認だけで時間が終わり、経路全体の判断が遅れます。管理者は連絡期限、見積もり期限、次回連絡を確認し、経営者は件数、受注原価、粗利、地域適合を見ます。

紹介件数が少ない月は率だけで結論を出しません。一件の受注や失注で割合が大きく動くため、実数と直近数か月の合計を併記します。季節、天候、繁忙期、担当者の稼働など、紹介サービス以外の条件も集計メモへ残します。

紹介サイトと自社集客の役割を分ける

紹介サイトは、塗装を検討し、業者を比較したい利用者と接点を持つ一つの経路です。自社の既存経路では届かなかった地域や、短期間で業者を探している人から相談を受ける入口になります。採算と対応条件が合うなら、利用を続ける理由があります。

一方、自社サイトは会社名や地域名で調べる人へ、施工品質、担当者、費用、保証、対応地域を伝える場所です。紹介を受けた利用者も、連絡前後に塗装店の名前を検索することがあります。自社サイトが薄いと、紹介料を払って得た接点に十分な判断材料を渡せません。

役割は次のように分けます。

  • 紹介サイトは比較を始めた人との接点を作る
  • 自社サイトは工事内容と会社の判断材料を蓄積する
  • Googleビジネスプロフィールは所在地、営業時間、写真、口コミを伝える
  • 電話、フォーム、LINEは相談内容と緊急度に合わせて使い分ける
  • 案件台帳は経路をまたいで受注原価と粗利を比較する

自社集客の費用も無料とは考えません。サイト制作、記事、写真、広告、口コミ対応、問い合わせ対応に時間と費用がかかります。自社経由にも同じ基準で原価を付けます。

予算配分は、今月の問い合わせ数だけで決めないようにします。自社サイトの施工事例や地域ページは公開後も判断材料として残りますが、更新と改善が必要です。紹介サイトは契約条件に応じて接点を得られます。短期の案件獲得と、自社に残る情報整備を分けて予算を決めます。

直請けにつながるWebの受け皿

直請けを増やすWebサイトでは、問い合わせボタンを増やす前に、塗装店を選ぶための情報をそろえます。利用者が紹介サイトで会社名を知った場合にも、自社サイトが比較と不安解消を支えます。

優先して整えるページは次のとおりです。

ページ

伝える内容

サービス

外壁、屋根、防水など対応工事と対象外

施工事例

施工前の状態、提案理由、工事範囲、工程、完成後

費用説明

金額が変わる条件、見積書の項目、追加工事の扱い

現地調査

確認する場所、時間の見込み、準備、写真の扱い

保証と点検

対象、対象外、期間、連絡方法、点検の有無

会社と担当者

所在地、資格、担当者、職人、問い合わせ先

対応地域

実際に訪問できる範囲と地域別の施工事例

問い合わせ

電話、フォーム、LINEの使い分けと連絡予定

施工事例は完成写真だけにしません。建物の状態、顧客が困っていたこと、調査で確認した内容、工事を提案した理由を載せます。費用や工期を掲載する場合は、その案件の条件と掲載時点を添え、別の住宅にも同じ金額が当てはまるような見せ方を避けます。

見積もりの比較方法も説明します。塗料名と合計金額に加え、塗装面積、下地処理、付帯部、使用量、工程、保証、追加費用の条件を見るよう案内します。自社の見積書とWebの説明が一致していれば、営業担当者ごとの説明差も減らせます。

問い合わせ後の流れは、受付、初回連絡、現地調査、見積もり、説明、検討、契約という順に示します。電話を希望しない人へ繰り返し架電する運用や、連絡時間の希望を無視する運用では、自社経由の信頼も失います。希望する連絡方法をフォームと案件台帳へ反映します。

更新を続ける担当と頻度も決めます。現場写真があっても、顧客情報、撮影許可、工事内容が整理されていなければ施工事例にできません。案件IDで写真、見積もり、工事記録、公開許諾をつなぎ、月ごとの公開件数を無理のない範囲で決めます。

紹介案件の利用者にも、同じ説明ページを案内します。経路ごとに別の費用説明や保証説明を作ると、担当者が古い資料を送る原因になります。公開ページを基準にし、案件固有の条件だけを見積書と提案書へ追加します。

Web改善の成果は直請け件数だけで見ません。社名検索後の閲覧、施工事例からの問い合わせ、現地調査ページの閲覧、問い合わせ後の現調実施を追います。紹介サイト経由でも、自社ページを読んで不安が減り受注へ進んだなら、Webの受け皿が働いています。

継続、縮小、停止の判断手順

紹介サービスの判断は、感覚や一件の成否で行いません。料金条件と対応条件を固定した期間を設け、案件台帳の数字で比較します。契約期間や解約条件に従い、判断日から逆算して集計します。

次の順で進めます。

  1. 最新の契約書、料金表、対象工事、対象地域、料金発生条件を確認する
  2. 自社が受けられる工事規模、商圏、月間件数、最低粗利を決める
  3. 紹介から受注または見送りまでを同じ案件IDで記録する
  4. サービスへの支払いと受付、現調、見積もり、追客の工数を集計する
  5. 受注1件あたりの獲得費用と案件別の粗利を計算する
  6. 対象外、連絡不通、現調後失注など工程別の詰まりを確認する
  7. 自社サイトや他経路も同じ定義で比較する
  8. 継続、条件調整、地域縮小、件数縮小、休止、停止を決める

継続が合うのは、希望する地域と工事の紹介があり、対応工数を含めても必要な粗利が残る場合です。件数を増やす前に、現場と営業が対応できる上限を確認します。受注増加に伴って見積もり遅延や施工管理の負担が増えれば、顧客対応の品質が下がります。

縮小や条件調整が合うのは、特定地域の移動負担が大きい、対象外工事が多い、繁忙期だけ対応できないといった場合です。サービス側で変更できる条件を確認し、地域、工事種別、件数を絞った後の採算を見ます。条件変更の前後が分かるよう、適用日を台帳へ残します。

停止を検討する場合も、請求や契約更新を確認せずに連絡を止めません。解約日、最終請求、進行中案件、成約後に発生する費用、顧客への対応を整理します。紹介で接点を持った顧客の情報は、契約と個人情報の取り扱いに従って管理します。

自社集客へ予算を移すときは、問い合わせがすぐ同数になると期待しないようにします。施工事例、費用説明、現地調査、保証、地域ページ、口コミ対応を優先順位順に整えます。どのページから相談が生まれたか、社名検索が増えたか、問い合わせ後に現調へ進んだかを測ります。

ヌリカエの手数料が高いかどうかは、Web上の一つの金額では決まりません。最新の契約条件を確かめ、紹介案件に使った費用と時間を受注1件へ換算し、粗利と案件の適合を見て判断します。紹介サイトと自社集客の両方を同じ台帳で比べれば、継続、縮小、停止の理由を数字で説明できます。

CONTACT

お問い合わせ

現在の課題や記事の内容について、相談したいことをご記入ください。