塗装会社のホームページをリニューアルするときは、問い合わせが少ない原因を確かめてから改修範囲を決めます。掲載内容と問い合わせ動作の改善で足りる場合もあり、全面的な作り直しが常に必要とは限りません。
全面改修が必要かの判断

問い合わせが少ないときは、サイトへ人が来ていないのか、来ていても相談する理由が分からないのか、連絡の操作で止まっているのかを分けます。デザインが古く見えるという理由だけでは、どこまで作り直すべきか決まりません。
まず、最近の検索流入と閲覧ページ、実際の問い合わせ内容を確認します。あわせて自分のスマートフォンで、対応地域の確認からフォーム送信までを操作してみてください。
見つかった問題 | 検討する改修範囲 |
|---|---|
料金や対応条件の説明が足りない | 該当ページの追記、事例の追加 |
ボタンが押しにくい・送信できない | 問い合わせ動作やスマホ表示の修正 |
似たページが多く、目的の情報にたどり着けない | ページの役割と案内経路の再整理 |
更新できない・全体の構造変更が必要 | CMSやサイト全体の作り直しを含めて比較 |
部分改修で問題を解消できるなら、その範囲から進める方法があります。全面改修が必要な場合も、現在読まれているページや問い合わせにつながる情報を残す方針を先に決めましょう。
目的は「見た目を新しくする」だけで終わらせません。「対応地域の施主が現地調査の流れを確認できる」「担当者が施工事例を更新できる」など、完成後に確かめられる状態を言葉にします。その状態を制作会社と共有すれば、提案を比較する基準になります。
制作会社へ渡す資料

見積もりを取る前に、何を残して何を直したいかを整理します。同じページ数でも、原稿作成、写真整理、既存記事の移行、更新機能の有無で作業は異なります。
用意する資料 | 記載する内容 |
|---|---|
目的と相談対象 | 増やしたい工事、対応地域、相談後の流れ |
現行ページ一覧 | URL、役割、残す情報、整理したい重複 |
現状の記録 | 検索流入、閲覧、問い合わせ、見積もり、受注 |
掲載素材 | 会社情報、工事説明、事例、写真、保証条件 |
運用体制 | 更新担当者、確認者、更新したい内容 |
管理と契約 | ドメイン、サーバー、CMS、計測の管理者 |
数字が取得できていない場合は、その点も伝えます。計測のないサイトで「問い合わせが増えるデザイン」を先に求めるより、何を測れるようにするかを見積もりに含めた方が、公開後に確認できます。
写真や原稿は、使ってよい範囲も整理してください。現場写真の掲載許諾、他社が制作した文章や画像の利用条件、以前の制作会社との契約を確認します。パスワードを資料へそのまま書く必要はありません。必要な権限を誰が付与するかを決めておきます。
制作会社には、費用、作業範囲、こちらが用意するもの、確認の回数、公開の条件を同じ形式で回答してもらいます。これにより、安く見えた見積もりに原稿や移行作業が含まれていなかった、といった食い違いを確認できます。
相談に必要なページ構成

新しい構成は、施主が依頼を判断するための情報から決めます。塗装会社が伝えたい強みだけでなく、対応できる工事、診断と見積もりの流れ、実際の作業内容を確認できるようにします。
ページ・内容 | 掲載する説明 |
|---|---|
対応工事と地域 | どの地域で、外壁・屋根・防水など何を相談できるか |
現地調査と見積もり | 申し込み後の連絡、確認内容、見積書の説明方法 |
施工事例 | 建物の状態、提案理由、工事範囲、工程、完了確認 |
料金と保証 | 見積条件、追加工事の扱い、保証の対象と対象外 |
会社と担当者 | 誰が何を担当し、相談にどう対応するか |
問い合わせ | 必要な入力情報と、送信後の流れ |
施工事例には、きれいな完成写真だけでなく、症状をどう判断して何を提案したかも書きます。工期や費用を掲載する場合は、その案件の条件を添えます。確認できない保証年数や耐久性を、宣伝のために付け加えてはいけません。
担当者紹介も、名前と趣味だけでなく、担当できる相談や現地調査で説明する内容を示すと業務が伝わります。「契約を急かさない」などの方針を載せる場合は、実際の営業方法と一致しているかを責任者が確認してください。
相談の目的に応じて、現地調査を申し込む人と、まず工事の必要性について聞きたい人への案内を分けることも検討できます。ただし、実際に受け付けていない相談方法を追加することはしません。
これらのページは、問い合わせ前に読んでもらうほか、営業担当者が商談前に事例や見積もりの流れを案内する用途にも使えます。Googleのコンテンツ指針も踏まえ、抽象的な強みの反復より、確認できる情報を具体的に説明しましょう。
問い合わせボタンの近くには、連絡後に何を確認し、誰が対応するかを短く示します。無料診断、写真だけの相談、見積もり後の検討期間などは、実際に提供できる条件を確認してから案内してください。営業担当者も同じ説明を使えるようにそろえます。
既存ページとURLの引き継ぎ
リニューアルでは、既存ページの扱いをURLごとに決めます。現在のURLを使い続けられるなら、そのまま内容を改善する選択肢もあります。見た目を新しくするためだけに、すべてのURLを変える必要はありません。
制作会社とは、次のような対応表を共有してください。URLは説明用の例です。
現行ページ | 判断 | 公開後の扱い |
|---|---|---|
/service/painting/ | 同じ役割で残す | URLを維持して本文を改善 |
/old-case-a/ | 事例を統合する | 内容に対応する新しい事例へ案内 |
/area-a/ | 同じ地域ページへ移す | 対応する新URLへ転送 |
終了した案内 | 残す価値を個別判断 | 無関係なトップページへ一括転送しない |
GoogleはURL変更を伴う移転で、旧新URLの対応付けと、サーバー側の永続的なリダイレクトを推奨しています。301や308は、古いURLへアクセスした際に新しいURLへ転送するための応答です。設定は制作・保守担当者に依頼し、対応表どおりか検証してもらいます。
転送だけで終わらず、サイト内のリンク、検索へ伝えるサイトマップ、正規URLを示すcanonicalも確認します。canonicalは同じ内容が複数URLにあるときなどに、主とするURLを伝える指定です。新サイトから旧URLを指したままにならないようにします。
Googleはリダイレクトをできるだけ長く、一般的には1年以上保持するよう案内しています。旧サーバーやドメインをいつ解約できるかは、転送をどこで維持するかまで決めたうえで確認しましょう。
内容を整理する場合も、古いページだけにあった有用な事例や説明がなくならないよう点検します。重複を減らす作業と、必要な情報を捨てる作業を混同しないことが大切です。
公開前の動作確認
公開前には、完成画面を見るだけでなく、実際の操作を試します。制作会社の確認に加え、受付担当者が問い合わせの受信まで確認すると、運用上の不具合を見つけやすくなります。
確認すること | 合格とする状態 |
|---|---|
スマホ表示 | 文字と写真が読め、必要なボタンを押せる |
フォーム | 入力、エラー表示、送信、完了案内が動く |
受信と通知 | 担当者が送信内容を受け取り、返信できる |
電話 | 正しい番号に発信でき、受付時間が分かる |
旧URL | 対応表どおりのページへ着く |
ページ内の案内 | メニューや事例から必要なページへ進める |
更新機能 | 担当者が事例を追加し、修正できる |
計測 | 予定した閲覧や問い合わせの操作を確認できる |
フォームのテストでは、通常の送信だけでなく、必須項目が空の場合や写真を添付する場合も、対応する機能があれば確認します。テストの問い合わせであることを分かるようにし、通常の相談件数へ混ぜないようにしてください。
検索に出したい本番ページには、開発中のnoindexやクロール制限が残っていないかも確認します。noindexは検索への登録を避ける指定です。Googleの移転チェックにも、開発時の制限を公開時に見直す説明があります。
公開する担当者、不具合があった場合の連絡先、元の状態へ戻す手順、バックアップも決めます。未修正項目が残る場合は、影響と対応期限を共有してから公開可否を判断してください。
公開後の点検と効果測定

公開直後は、電話、フォーム、受信、主要ページ、転送を本番環境でも確認します。問い合わせが届かないなどの不具合は、検索順位の変化を待たずに対応する必要があります。
検索については、主要URLの登録状態と検索流入を確認し、改修前と同じ条件の期間で比較します。広告費、休業、季節、受付体制も変わったなら、変更日を残しておきましょう。リニューアルと同時に起きた変化を、すべてサイト改修の効果にはできません。
Googleは大幅なサイト変更後に順位が変動する場合があると説明しています。また、変更が反映されても必ず改善するとは限りません。公開翌日の順位だけで成功・失敗を決めず、技術的な不具合の点検と、一定期間の成果評価を分けます。
営業側では、相談、現地調査、見積もり、契約を記録します。対象外地域の相談が増えた場合は対応範囲の説明を、同じ質問が続く場合は料金や保証の説明を点検する、といった形で改善へ戻してください。
リニューアルの完了条件には、更新担当者が操作できることも含めましょう。公開後に事例や料金条件を誰も直せない状態では、また情報が古くなります。現状診断、改修範囲、引き継ぎ、動作確認、更新体制をそろえて進めることが、次の改善を続けるための準備になります。



