特殊清掃会社が不動産会社へ営業する際は、賃貸管理や原状回復を扱う担当者を確かめ、自社が対応できる範囲と見積もり・報告の進め方を提案します。既存業者がいる相手には、日程や地域などで対応できない場合の相談先として検討してもらう方法があります。
営業先の数を増やすだけでなく、相談が発生したときに担当者が迷わず連絡できる状態を作りましょう。この記事では、営業リスト、初回連絡、面談、作業報告までの手順を解説します。
特殊清掃の営業先リストを作る

まず、自社の対応地域で賃貸管理や原状回復を扱う会社を調べます。不動産会社という名称だけでは業務は分からないため、会社サイトで事業内容や法人向けの窓口を確認してください。売買や仲介が中心の会社には、室内清掃の相談をどの部署が受けるかを確かめます。
リストの項目 | 記録する内容 |
|---|---|
会社と営業拠点 | 会社名、事業所、公開された業務窓口 |
対応業務 | 賃貸管理、売買仲介、原状回復など |
自社との接点 | 地域、作業範囲、紹介や協力の可能性 |
連絡の結果 | 担当部署、資料送付の可否、次回の連絡条件 |
最初は、現地確認へ行ける地域と自社の作業範囲が重なる先を優先します。対応できると確認していない地域や作業まで広く提案せず、問い合わせを受けた場合の動きが具体的に説明できる先から進めましょう。
担当者への最初の連絡

会社の公開された業務窓口で、特殊清掃や原状回復に関わる外注先を検討する担当を確認します。相手が営業連絡を受け付けていない場合や、資料送付の指定がある場合は、その案内に従ってください。
最初の説明は、会社名、対応地域、相談できる作業、連絡の目的を短く伝えます。次は、実際の対応内容に合わせて調整する案内例です。
> 「〇〇地域で特殊清掃を行う△△です。賃貸物件の清掃や消臭について、現地確認から作業報告までの対応内容をまとめています。外注先の検討を担当する方へ、資料をご案内できるか伺いたくご連絡しました。」
この段階で、個別の事故があった物件や入居者の情報を聞き出す必要はありません。資料を送ってよいか、どの窓口を使うか、追加の説明が必要かを確認します。送付後の連絡時期も、相手の希望に合わせて決めましょう。
初回面談で確認すること

面談では、すぐに自社の実績を説明し続けるのではなく、外注時に何を確認する必要があるかを聞きます。既存業者の有無に加え、日程調整、見積もり、写真報告などで困る場面があるかを尋ねてください。
確認する相手は、相談の窓口となる担当者と、発注を判断する人に分けます。オーナーの承認が必要な案件では、判断に使う資料と連絡の順序を聞きましょう。
たとえば、現地見積もりの前に必要な情報、見積書の項目、立ち会いの有無、報告写真の形式を確認します。現在の取引先への不満があると決めつけず、自社が対応できる条件と合うかを探る面談にしてください。
営業資料に載せる内容

営業資料は、担当者が案件を相談してよいか、社内やオーナーへどう説明するかを判断できる内容にします。会社案内だけでなく、見積もりと報告の見本も用意しましょう。
掲載する項目 | 判断できるようにする内容 |
|---|---|
作業範囲 | 清掃、消臭、家財整理など、自社と協力先の分担 |
地域と時間 | 対応地域、受付時間、現地確認の日程調整 |
見積もり | 現地確認の手順、費用項目、追加作業の承認 |
事例 | 依頼内容、実施範囲、対応後に残った課題 |
報告 | 写真、作業内容、次の工程への引き継ぎ |
対応できない条件 | 現地確認が必要な事項、別途手配が必要な作業 |
家庭から出る廃棄物の収集運搬には、市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要です。古物商や産業廃棄物処理業の許可では代替できないため、家財整理を含めるなら、収集運搬の担当を説明してください。環境省の廃棄物回収に関するQ&A
事例写真は公開の了承を得たものを使い、住所などの写り込みを確認します。清掃だけで建物の状態がすべて解決する、保険が必ず使えるなど、現場や契約を確認せずに約束する表現は避けましょう。
既存業者がいる会社への提案
すでに依頼先がある会社には、取引先の変更だけを求める必要はありません。現在の依頼先で対応できない条件があるかを聞き、自社が補える範囲を提案します。
候補になるのは、日程が重なるとき、対応地域から外れるとき、特定の作業だけ協力先が必要なときなどです。ただし、自社にない設備や経験をあるように説明せず、現地確認後に判断する事項はそのまま伝えてください。
初回は、相談窓口として資料を保管してもらう、見積もりの手順を確認するなど、相手が検討できる範囲を決めます。案件が出ることを前提に定期訪問を繰り返すのではなく、連絡してよい条件と次に確認する内容を合意しましょう。
紹介と発注の流れを決める
不動産会社が依頼者を紹介する場合と、不動産会社自身が発注する場合を区別します。紹介者、契約する人、作業や処分を承諾する人、支払う人を、案件ごとに確認してください。
段階 | 自社と相手で確認すること |
|---|---|
相談 | 相談者の立場、現場所在地、必要な作業の概要 |
現地確認 | 入室の調整、立ち会い、鍵の受領と返却 |
見積もり | 提出先、説明先、承認を受ける相手 |
作業 | 実施範囲、処分の了承、追加作業の承認方法 |
完了 | 報告先、確認方法、請求先と支払条件 |
鍵を受け取ったことと、室内の家財を処分してよいことは分けて確認します。国土交通省は、死亡後の賃貸借契約の解除と残置物の処理について、モデル契約条項を案内しています。個々の案件で誰が何を承諾できるかを、清掃会社だけで判断せず、関係者と確認する手順を設けましょう。国土交通省の残置物処理等に関するモデル契約条項
紹介料や業務委託費を設ける場合は、金額だけでなく、発生時点、キャンセル、追加作業、苦情への対応も決めます。案件の連絡時に共有する個人情報や写真の範囲も、事前に確認してください。
作業後の報告と次の相談
作業後は、見積もりに対して何を実施したかを報告します。作業前後の写真に加え、実施した範囲、追加作業の承認内容、残った課題、次の工事へ伝える事項を整理してください。
臭いなどの確認が必要な場合は、どの条件で、誰と、いつ確認するかを決めます。「完全に解決」と一言で済ませず、その時点で確認できた状態と継続して確認する事項を分けると、次の対応を相談できます。
報告資料は、契約時に決めた相手と範囲に共有します。案件の報告用に撮った写真を、別の営業先への提案や自社サイトに転用する場合は、用途を分けて了承を確認してください。
報告後は、資料の不足や連絡のしづらさがなかったかを尋ねます。次の紹介を求めるだけでなく、相手が案件を引き継ぐ際に困った点を改善につなげましょう。
営業活動を見直す指標

訪問件数だけでなく、担当者につながった件数、資料送付、面談、現地確認、受注を記録します。どこで進まなくなっているかによって、見直す内容が変わります。
担当者につながらない場合は、営業先の業務や窓口が適切かを確認します。資料を送っても相談がない場合は、案件の発生頻度や、紹介できる条件が伝わっているかを確かめましょう。見積もり後に受注できない場合は、価格、日程、作業範囲など、確認できた理由を残します。
受注した案件は、売上だけでなく、営業、現地確認、報告にかかった時間と作業費も記録します。少数の案件で紹介元を評価し切らず、自社が続けられる対応かを見直してください。
営業資料とWebの説明を一致させる
資料を受け取った担当者やオーナーがサイトを見たときに、同じ地域、作業範囲、連絡方法を確認できる状態にします。資料には法人対応を載せているのに、サイトでは相談先が分からない場合は、法人向けの案内を整えましょう。
掲載する情報は、営業時によく聞かれる質問から選びます。見積書や報告書を公開できない場合も、どのような項目で説明するかは紹介できます。実際の対応に合わせて更新してください。
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