掲載費や紹介費を見直したくても、今の媒体を減らすと相談が途切れそうで動けない。不動産会社の脱ポータルは、契約を切ることより、どの相談を自社で獲得できるようにするかを決める作業です。
売却仲介を扱う会社では、自社への売主相談を受け付けるページと集客経路を育て、媒体別の査定・媒介・成約を比較して掲載費を見直します。最初に契約中の媒体が買主を集める物件掲載なのか、売主を紹介する一括査定なのかを分け、減らしたときに失う相談を確認しましょう。
減らしたい媒体費を分ける
契約書や請求明細を見ながら、何に対して支払っているのかを整理します。買主に物件を見てもらうための掲載と、売主から査定相談を受けるための紹介を、同じ成果で比較しないことが出発点です。
自社で確認する契約の目的 | 記録する反響 | 費用を減らす前の確認 |
|---|---|---|
販売中の物件を見てもらう | 物件への問い合わせ、内見、購入 | 買主との接点や販売活動への影響 |
売却希望者から相談を受ける | 査定相談、面談、媒介契約 | 自社経路で補える売主相談の数と内容 |
会社を知ってもらう | 会社ページへの訪問、指名での相談 | 別の経路との重複と、その後の接点 |
同じ媒体に複数の契約がある場合も、目的ごとに分けます。本稿では、このうち売主からの相談を自社で増やす取り組みを中心に扱います。売主集客が増えても、買主向けの掲載をそのまま代替できたとは判断しません。
自社へ売主を集める方法

検索から集める場合は、対応する地域や物件種別と、売主が知りたい内容を組み合わせます。たとえば、対応している地域のマンション売却について、相談できる範囲と進め方を説明するページが候補です。不動産会社側の悩みである「ポータル脱却」を、売主向けページの主題にしないようにしましょう。
GoogleのSEOスターターガイドが示す、読みやすい構成や内容が分かるリンクの説明を参考に、会社情報から売却相談の案内へ進めるようにします。地域名だけを変えた記事を増やすのではなく、その地域で説明できる実績や対応条件を確認します。
地図では会社の基本情報と相談できる内容を正確に整えます。ただし、Googleのローカル検索は距離なども考慮するため、遠方まで一様に表示されるとは限りません。
広告、SNS、紹介者に渡す案内も、売却相談ページへつなげます。新しい手法をすべて追加するのではなく、対象地域へ届ける手段と社内で対応できる量から一つずつ試してください。
売却相談ページに載せる情報
対応エリア、扱う物件、相談から査定までの流れを具体的に示します。売却するか未定の人への相談対応、連絡方法、訪問が必要になる場面も、実際の業務に合わせて説明しましょう。
査定額を強調するだけでなく、どの資料や物件条件を確認し、どのように説明するかを伝えます。販売活動の内容、報告の方法、担当者も、依頼先を比較する材料になります。金額や成果を約束する表現を加える前に、実態と根拠を確かめてください。
事例を載せるなら、相談の背景、物件条件、行った対応を説明し、許可を得た範囲で掲載します。他の物件も同じ期間や価格で売れるような書き方は避けます。事例がない分野は実績を作らず、相談時に何を確認できるかを示しましょう。
地域への理解は、地名を並べるだけで示さず、扱った相談や物件で何を確認したかを説明します。担当者の紹介では、経歴だけでなく、査定や販売活動のどこを担当するかを示すと、依頼先を判断する材料になります。
売主にとっての査定価格と、不動産会社が媒体へ支払う費用も分けて説明します。自社が負担する集客費を減らしたいという話を、売主へ安さを訴える話にすり替えないことが大切です。
査定から媒介までの比較

媒体ごとに問い合わせ数だけを比べると、同じ売主の重複相談や、対応地域外の相談を含んだまま評価してしまいます。受付で売主と相談内容を確認し、有効な相談、面談、媒介契約、成約を分けて記録します。
Googleビジネスプロフィールの通話数は通話ボタンのクリックに基づく指標です。実際の査定相談や媒介契約は、営業記録で確かめます。最初に知った経路と最後に連絡した経路が違う場合は、分かる範囲で両方を残してください。
費用を媒介契約数で割るときは、どの期間の相談がその契約へ進んだのかを揃えます。今月の広告費を、過去の問い合わせから生まれた契約も混ぜた今月の媒介数だけで割ると、比較の意味が変わります。流入元が分からない相談も、自社サイトの成果へ無理に含めないでください。
計算方法を決める例として、ある期間に発生した相談をまとめて追い、その相談獲得にかかった費用が20万円、そこから媒介契約に至った件数が4件だったと仮定します。この定義での媒介獲得費は1件5万円です。実績や相場を示す数字ではありません。別の経路と比べるときは、同じ観察期間を取り、社内の対応時間を含めるかなど費用の範囲も揃えます。
媒介契約を得た段階と成約した段階は分けて残します。まだ結果が出ていない相談を失敗と扱わず、追跡中として記録すれば、営業期間の違う媒体を早計に比較することを避けられます。
掲載費を見直す判断基準
掲載費を減らすかは、自社の売主相談があるか、その相談が媒介や成約へ進むか、対応にかかる費用が見合うかで考えます。自社経路の比率が上がっただけでは十分ではありません。ポータル経由の相談が減り、総数が落ちたために比率だけ上がっている場合もあるからです。
記録から分かる状態 | 次に行うこと |
|---|---|
自社からの有効相談と媒介が継続している | 契約条件を確認し、一部の媒体や枠で費用の見直しを試す |
相談はあるが媒介へ進まない | 対象物件、面談内容、連絡できなかった理由を確認する |
自社経路の件数が少なく比較できない | 急な削減を避け、記録とページ改善を継続する |
費用を減らした後に総相談数が落ちた | 減った経路と相談内容を確かめ、再配分を検討する |
これは運用判断の例です。どの会社にも共通する削減割合や達成時期を置かず、自社の営業期間と契約条件に合わせて確認します。
移行中の運用と分担
経営者は見直す媒体と予算、Web担当はページと告知、営業担当は相談の受付とその後の結果を管理します。問い合わせが入っても担当者が不明な状態を避けるため、連絡の担当と引き継ぎ方法を先に決めましょう。
掲載条件や対応エリアを変えたら、広告とページと営業案内を揃えます。成果の記録には変更日も残し、別のキャンペーンや季節の変化が重なった場合は、その影響も考慮してください。
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